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インスペクションって?

検査・診断・調査・点検などの意味ですが、ここで言うインスペクションとは、新築後に数年を経過した住宅の日常に生活するうえで不具合や構造の安全性に影響があると考えられる劣化等はないかの現況を把握するための建築技術者による目視を基本とした調査・点検です。

目視を基本とするインスペクション

インスペクションは、身体の健康診断に例えると一次診断。お医者さんの「視診」、「触診」にあたります。住んでいる方に現状をきいてみる「問診」をすることもあります。 視診、触診は住宅のどこかの部材や部品を「外す」、「剥がす」、「壊す」と言うものではなく、現状のままで、また歩行可能な範囲を視たり、触ったり、計測したりしながら行います。専門用語では「非破壊検査」と言います。 この一次診断で大きな問題の可能性があり、詳しい調査が必要な場合は、専用の計測機器を用いたり、部分的に「壊す」=破壊を伴った二次診断となります。

耐震性の確認をする耐震診断などは、この二次診断に該当します。 また、このインスペクションは、構造的な欠陥や工事の際の瑕疵の有無、性能の程度、建築法令等の違反の有無等の判定、設計図面との照合を行うものではありません。

つまり、インスペクションとは、建築技術者が「第三者的な立場で客観的に住宅の状態を調べる」と言うことが基本となります。

インスペクションとはどのように?どこを?

住宅検査の部位等(木造一戸建て住宅の場合)の図

一次診断に該当するインスペクションは、通常の歩行により移動できる範囲の構造的な主要な部分、雨水の進入(雨漏り)の恐れのある部分で、国土交通省の「既存住宅インスペクション・ガイドライン」で示されている部分が基本と言えます。

ガイドラインでは、この他にインスペクションに係る方法、適正な業務上の手続きや遵守するべき事項、記録、そしてインスペクターについてなど、標準的な業務のあり方も示しています。

インスペクションで確認する主なポイント(木造一戸建て住宅の場合)

  1. 構造耐久上主要な部分の安全性に支障のある劣化等の有無
    (例)蟻害、腐朽・腐食や傾斜、躯体のひび割れ・欠損等
  2. 雨水の浸入の恐れのある部分の雨漏り等の有無
    (例)屋根の雨漏り等
  3. 設備配管の日常生活上支障のある劣化等の有無
    (例)給配水管の漏れや詰まり等

戸建住宅において共通的に検査対象とすることが考えられる項目

検査の観点 対象部位等 検査対象とする劣化事象等
構造耐力上の安全性に問題がある可能性が高いもの 小屋組、柱・梁、床、土台、床組等の構造耐力上主要な部分
  • 構造方式に応じ、木造にあっては蟻害・腐朽が、鉄骨造にあっては腐食が、鉄筋コンクリート造にあっては基礎において検査対象とする劣化事象等が生じている状態
  • 著しい欠損や接合不良等が生じている状態
床、壁、柱
  • 6/1,000以上の傾斜が生じている状態(鉄筋コンクリート造その他これに類する構造を除く)
基礎
  • コンクリートに幅0.5mm以上のひび割れ又は深さ20mm以上の欠損が生じている状態
  • 鉄筋コンクリート造で鉄筋が腐食している可能性が高い状態(錆汁の発生)や腐食する可能性が高い状態(鉄筋の露出)
雨漏り・水漏れが発生している、又は発生する可能性が高いもの 外部 屋根、外壁
  • 屋根葺き材や外壁材に雨漏りが生じる可能性が高い欠損やずれが生じている状態
  • シーリング材や防水層に雨漏りが生じる可能性が高い破断・欠損が生じている状態
屋外に面したサッシ等
  • 建具や建具まわりに雨漏りが生じる可能性が高い隙間や破損が生じている状態
  • シーリング材や防水層に雨漏りが生じる可能性が高い破断・欠損が生じている状態
内部 小屋組、天井、内壁
  • 雨漏り又は水漏れが生じている状態(雨漏り・漏水跡を確認)
設備配管に日常生活上支障のある劣化等が生じているもの 給排水 給水管、給湯管
  • 給水管の発錆による赤水が生じている状態
  • 水漏れが生じている状態
排水管
  • 排水管が詰まっている状態(排水の滞溜を確認)
  • 水漏れが生じている状態
喚気 換気ダクト
  • 換気ダクトが脱落し、又は接続不良により、換気不良となっている状態

共同住宅において共通的に検査対象とすることが考えられる項目

【共同住宅(裏有部分)】

検査の観点 対象部位等 検査対象とする劣化事象等
構造耐力上の安全性に問題がある可能性が高いもの 壁、柱、梁
  • 構造方式に応じて、鉄筋又は鉄骨が腐食している可能性が高い状態(錆汁の発生)や腐食する可能性が高い状態(鉄筋又は鎖骨の露出)
  • 6/1,000以上の傾斜が生じている状態(鉄筋コンクリート造その他これに類する構造を除く)
  • コンクリートに幅0.5mm以上のひび割れ又は深さ20mm以上の欠損が生じている状態
雨漏り・水漏れが発生している、又は発生する可能性が高いもの 内部 天井、内壁
  • 雨漏り又は水漏れが生じている状態(雨漏り・漏水跡を確認)
設備配管に日常生活上支障のある劣化等が生じているもの 給排水 給水管、給湯管
  • 給水管の発錆による赤水が生じている状態
  • 水漏れが生じている状態
排水管
  • 排水管が詰まっている状態(排水の滞溜を確認)
  • 水漏れが生じている状態
喚気 換気ダクト
  • 換気ダクトが脱落し、又は接続不良により、換気不良となっている状態

【共同住宅(専用使用部分)】

検査の観点 対象部位等 検査対象とする劣化事象等
構造耐力上の安全性に問題がある可能性が高いもの 壁、柱、梁
  • 構造方式に応じて、鉄筋又は鉄骨が腐食している可能性が高い状態(錆汁の発生)や腐食する可能性が高い状態(鉄筋又は鎖骨の露出)
  • コンクリートに幅0.5mm以上のひび割れ又は深さ20mm以上の欠損が生じている状態
雨漏り・水漏れが発生している、又は発生する可能性が高いもの 外部 外壁
  • シーリング材や断水層に雨漏りが生じる可能性が高い破断・欠損が生じている状態
屋外に面したサッシ等
  • 建具や建具まわりに雨漏りが生じる可能性が高い隙間や破損が生じている状態
  • シーリング材や防水層に雨漏りが生じる可能性が高い破断・欠損が生じている状態

注)木造の共同住宅については、戸建住宅の検査項目を準用することが考えられる。

国土交通省のガイドライン

現在の住宅施策は、今までの古いものを壊して新しいものをつくると言う新築中心のスクラップ&ビルド型の住宅市場から、長持ちする住宅をつくり、きちっと維持管理し、そして適時にリフォーム等により品質・性能を高め、次の世代等に引き継いでいく、市場で循環利用されるストック型の住宅市場への転換を「目指すべき住宅市場の姿」と位置付けています。

特に循環利用の一つには中古住宅としての売買があげられますが、中古住宅の流通促進を促すためには、現状抱えている問題も解消する必要もあります。
問題、それは「消費者の中古住宅に対する不安」です。
住宅は、新築時の品質や性能の違いもありますが、その後の維持管理の状況や経年劣化により、物件ごとの品質に差があります。
住宅の購入を検討している消費者は、その物件ごとの品質に差に不安を感じ、なかなか購入に踏み切れない現状にあります。
こうした中、物件ごとの状況を把握するインスペクションのニーズも高まりつつあることから、消費者が中古住宅の取引時点の物件の状況を把握できるようにするため、第三者がインスペクション行う場合のインスペクターの技術的能力の確保やインスペクションの内容・項目・方法などの標準的な業務のあり方を示した「既存住宅インスペクション・ガイドライン」がとりまとめられました。

「既存住宅インスペクション・ガイドライン」の内容は、中古住宅売買時のインスペクションについて標準的な業務のあり方を示すものですが、インスペクションの内容は、住宅に住み続ける過程の維持管理のための点検、リーフォームを行う際の事前の現況確認の調査なども同様に利用されます。

安心して、

  • 住み続ける
  • リフォームする
  • 売買する

インスペクター

インスペクションをするのは「建築技術者」。インスペクターと言います。
このインスペクター=建築技術者は、次の資格を持つ方があげられます。

  • 建築士
    ※建築士はその者が係わる建物の規模、構造などにより、一級、二級、木造建築士に分類されています。
  • 建築施工管理技士
    ※建築施工管理技士も、建築士の資格を持つとか、経験、その他により一級、二級に分類されています。

しかし、建築士等の有資格者でも、住宅の劣化・不具合等に関する知識、インスペクションの実施方法や判定に関する知識と経験が求められます。
このため、この知識と経験などを講習の受講により補い、考査に合格した次のような資格を持つインスペクターが今では存在します。

(講習内容の例)

  1. 住宅の構造、防水、設備に関する工法・仕様などに関すること
  2. 劣化事象等とするか否かの判定に関すること
  3. インスペクションの具体的な実施方法に関すること
  4. インスペクション結果の報告書の作成や報告方法に関すること
  5. 公正な業務の実施上必要となる情報開示や説明上の留意点に関すること
  6. 関係法令に関すること

など・・・

(資格の一例)

  1. 既存住宅現況検査技術者
    ※既存住宅現況検査技術者は、一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会が行う講習に参加し、考査に合格し登録された者で建築士の資格も兼ねています。

建築士法では、第23条で建築士が業として建築物に関する調査を行う場合には、建築事務所登録をしなければならないと定めています。

つまり、インスペクションは、一定の知識と経験のある有資格者であり、かつ建築士事務所に所属するインスペクターが行うことになります。

インスペクションの結果の記録

インスペクションは、実施するだけではなく、その結果を記録し「残す」ことも必要です。
健康診断などでも結果はカルテとして残され、その後の健康診断の際には今まではどのような状況だったのかと前のカルテの内容と比較することがあります。

住宅のインスペクションもこれと同じように、結果を「残し」そして「蓄積」することが重要となります。
この「残す」ものを住宅履歴情報“いえかるて”と言います。

この“いえかるて”があることにより、後の住み続けるための計画的な維持管理やリフォーム、また次世代に引き継ぐ、中古住宅として他者に引き継ぐなどの場面で役立つことになります。

※「いえかるて」は、住宅履歴情報の蓄積と活用を支援する業務を行う事業を行っている住宅履歴情報サービス機関が会員の一般社団法人住宅履歴情報蓄積活用推進協議会住宅履歴情報の愛称です。

いえかるて

適正なインスペクション事業者

“長持ちする住宅をつくり、きちっと維持管理” これには住宅事業者の役割も重要です。

ストック型の住宅市場では、住宅をつくるだけの事業者ではなく、インスペクションと住宅履歴情報を活用し、消費者の住生活を継続的に支援する事業者が求められます。
一般社団法人住まい管理支援機構では、こうした事業者を育成し、その支援体制を整えた住宅事業者を管理適正事業者として登録しています。

この管理適正事業者は、第三者性を保った信頼のあるインスペクション事業者と言えます。

管理適正事業者

安心して、

  • 住み続ける
  • リフォームする
  • 売買する

そのためには、インスペクションで

  • 住宅がどういう状況にあるのか?
  • 構造的な安全性に問題ないのか?
  • 雨漏りなどの問題はないのか?

このような方は、一度この管理適正事業者にご相談しては如何でしょうか?

インスペクションの活用シーン

安心して、住み続ける

住宅は部分部位により程度の差はありますが新築後から様々な影響を受けて不具合が生じたり劣化が始まります。住宅所有者がその不具合や劣化を発見しても、問題は目に見える範囲だけなのか、原因は、修繕しておくべきかなど、対応が必要なのかは分からないと思われます。
インスペクションを活用することで、その部分だけではなく住宅全体の状況も分かり、修繕などの対応について効率的に計画を立てることもできます。
また、例えば新築時の瑕疵保険。何か工事中の瑕疵があった場合などに一般的には10年の保証がついていますが、これには適切な維持管理をしていることも保険適用の条件でもあります。
定期的な維持管理の場面、そして保証が切れる際にもインスペクションを行うことをお勧めします。

安心して、リフォームする

住み続ける過程ではライフスタイルの変化に伴いリフォームする場面もあります。
リフォームは、屋根や外壁など模様替え、キッチン、浴室、そしてトイレなどの水回りのリフォーム、リビングや子ども部屋などの室内リフォーム、部屋の増築などと目的に応じて様々です。
リフォームを行う際に、インスペクションを活用し事前に住宅の全体の状況を一度確認することで、ただその目的に応じた工事を行うだけではなく、リフォームに合わせて改善するべきことや修繕しておくべきことも明らかになります。

【メリット】

  • 自分では気が付かない、分からない部分の不具合や劣化状況が明らかになる
  • 修繕しなければならない内容が分かる
  • 不具合、劣化に合った修繕の工法、費用のアドバイスを受けることができる
  • 不具合、劣化に対応した修繕計画、資金計画が立てられる
  • 不具合や劣化の早期の発見により、大事に至らず修繕費用を結果的に抑えられる

安心して、売買する

売主側の立場

長年愛着を持って生活した住宅。売主側の立場では「売却時はもちろん何もしなくても売れる」と思われがちです。
一方、購入を検討している買主側の立場では、「住宅の間取り、価格も魅力」、でも「住宅の構造や性能、そして設備に不具合はないか」、「何か問題があった時の保証は」と言う不安もあります。
結果的に「なかなか売れない」と言うことも。
これは、お住まいになっていた住宅が経年変化による劣化、生活による損耗があるにもかかわらず、売買にあたって住宅の情報が少ないと言うことが要因です。
住宅の売却には購入検討者のこの不安を取り払うためのしっかりと現状の情報を明らかにすることが大切です。
スムーズな売却、後々のトラブル回避の点では、売却しようと検討する時点で売主による適切な情報の提供ができるように売主によるインスペクションの実施が望まれます。

買主側の立場

購入を検討している側にとっては、利便性・環境などの立地条件や住宅の間取りや価格に魅力を感じても住宅についての情報が少ないと「住宅の構造や性能、そして設備に不具合はないか」、「何か問題があった時の保証は」と言う不安があります。
情報の少ない住宅の購入に際しては、買主側がインスペクションを実施することでこの不安の解消になり、また住まううえでどのような修繕が必要か費用はどの程度かかるか、どのようなリフォームが可能なのかが分かるようになります。

【メリット】

  • 第三者の信頼ある情報を提供することで売却しやすくなる(売主)
  • 購入する建物に問題がないかどうかを第三者に視てもらうことで安心が得られる(買主)
  • 売買後の売主買主とのトラブル(不具合や劣化について)を防ぐことができる
  • 修繕しなければならない内容が分かる
  • 不具合、劣化に合った修繕の工法、費用のアドバイスを受けることができる
  • 不具合、劣化に対応した修繕計画、資金計画が立てられる
  • 不具合や劣化の早期の発見により、大事に至らず修繕費用を結果的に抑えられる
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